30年前ホビージャパン誌に掲載したファイアーボールの作例を初めてみたときの印象は
「初めて見るフォルム」と「艶のあるテクスチャー」が大きい要素だったのではないでしょうか?
ということは今回の1/16でその「リアリティ」を再現するにはかつてのファイアーボールとは
違ったフォルムにしようと改装キットを使用しました。
キットはもちろんプラウラーとして完成できますが
それではファイアーボールとしてリアリティとは違いすぎますね。
ここはファイアーボールに背面の部品を追加した程度の改造で納めます。
各タンクの取り付け位置は仮接着したらその円の中心を軸打ちの穴とします。
赤いチューブのモールドと四角い基部のどちらにも触る位置をタンクの位置に決定したところです。
当時の作例の特徴のひとつにデカールの注意書きの黄変色したことがあります。
どんな作品も完成した瞬間から色は変化していきます。
とくに透明を前提とした国産デカールはどんどん黄色くなっていきます。
おまけに当時わしは透明クリアーと言えばハンブロールのクリアーを完成後に全体に塗っておりました。
ただでさえ黄色くなったデカールの透明部分をより黄色くさせていたのですね。
そんなことだってリアリティの大事な要素です。
それを再現するためにセンチネルのファイアーボールの黄色いボディカラーを残して
その黄変を再現する方法をとりました。
ボディカラーよりほんの少しだけ白いクリーム色を調色して注意書きを残すように
塗っていきます。
白は筆塗りだとムラになると心配する人がいますが、「乾いたら上から薄く塗る」
「下地が薄く見えるところ塗る」
これを繰り返すだけで厚みのある白塗装が可能です。
塗り残した注意書きがデカールの黄変に見えませんか?
こんな事の累積が「リアリティ」となっていきます。
作業としてはこの段階でよーく乾燥させておきます。
わしは卓上ファンで数時間風をあてて乾燥させました。
さあいよいよクリアーを吹きます。