もう完成した人も今後の参考になると思いますので
キャノピーのフレームの事から書いておきましょう。

「キャノピーのフレームを塗装するときに、マスキングをしない。」

飛行機など透明なキャノピーのあるキットをかっちょよく作るコツはこれだけかもしれないと思うほどに
効果的な技法なので覚えておいて損はないと思います。

「じゃあ。どうやってはみ出さないように塗るの?」
って思うことでしょう。

「はみ出してもいいのです。
あとからつまようじではみ出したところをふき取れば。」

なんだそんなこと知ってるよって思うかもしれませんが、
その理由と大事なポイントを再度説明します。

マスキングしたゾルやペーパーをナイフやカッターで切り出したところに
エアブラシで吹いて出来るくっきりした境界線には
「マッハライン」が生じます。

マッハラインというのは色彩学で使う用語ですが、明度のはっきり違う境界線の界隈に出来る錯覚で
暗い色の領域にはやや明るく明るい領域にはやや暗いシャドウのようなものは見えます。

どんなものでもいいので明るい色と暗い色が直線で区切られた場所をよく観察してみてもらえば
暗いほうの色面の境界線あたりにぼんやり明るいところが見えるはずです。
逆に明るいほうの領域にははちょっと暗く見えます。

まあ難しい話しはこれくらいにして
なぜ塗装ではっきりとしたラインを作ってはいけないのかというと
人間の目がそこに集中してしまうからです。

そいったところはほんの少しでもゆがんでいたり、幅が均等でなかったりすると
実際以上に失敗したように目には映るのです。

ところが筆などで「エイッ」と引いた線にはマッハラインが発生しにくく多くの「ゆらぎ」や「曖昧さ」という
強い味方が存在します。


マスキング派の人には悪いけど、作った人以外の人にはさほど気にならないはずのところまで強調することになってしまうのです。
もちろんエアブラシとマスキングの利便性は否定するつもりはありませんし、
キャノピー以外の部分でエアブラシなしで表現できないところもたくさんあります。
あとでそんなところについても話していくつもりです。

では筆塗りでフレームを塗装する時のコツをキャメルのキャノピーを使ってもう一回書いておきますね。

枠の前に、まずは金色のコーティングの事

NASAの写真で宇宙服のヘルメットのバイザーが金色に光っているのって
とても宇宙的な映像ですね。

キットになったら絶対にやりたかったことなのですごくうれしい行程です。

スモークのキャノピーに金色を吹き付けていきます。

この写真ではすでに裏側からうすーく金色を吹き付けた状態です。


金色はランナーから切り離さないようにしてランナーを持ったまま裏側から塗装するのがコツ。
表にまわりこんだりしたときはあとで磨けば取れます。
内側にホコリなどが付着したときは薄め液でふき取れば何度でも塗り直せます。

金色はほんの少ししか吹き付けないのでその薄さの調整を
手元にあったミスターピーナッツの貯金箱にテスト塗りをしました。
腕のあたりの薄さで吹いていきます。


キャノピーの内側の金色が乾燥したらランナーから切り離します
いよいよフレームの塗装に入ります。